沖縄の「城(グスク)」に関連した世界遺産5つの魅力や見どころ
国内屈指の観光地、沖縄。豊かな自然や琉球王国の文化と歴史など、世界中から訪れる人々を魅了しています。2000年には、琉球文化の象徴である城(グスク)に関連した遺構群である「首里城跡」「今帰仁城跡」「座喜味城跡」「玉陵」「斎場御嶽」が、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。では、これらの遺跡にはどのような魅力や見どころがあるのでしょうか。
国王が居住していた「首里城跡」
首里城(しゅりじょう)は、沖縄が琉球王国と呼ばれていた1429年から1879年の450年間にわたり、国王が居住していた城です。琉球王国最大の規模を誇る木造建造物で、日本では珍しい「朱色」に彩られた城として知られています。開放感のある正殿や2000円札の絵柄となっている守礼門など観光スポットも多く、日没から24時まで実施されているライトアップされた城郭も見どころです。2019年3月には太平洋戦争で破壊・焼失された正殿などの復元工事が完了しましたが、同じ年の10月31日の火災により、再び正殿を含む8棟の建造物が焼失しました。現在は2026年の復興に向けて再建工事が進められていますが、無料区域と有料区域に分けて観光できるようになっています。
王国を統一して建国された「今帰仁城跡」
琉球王国は「北山」「中山」「南山」という3つの王国を統一して建国されました。今帰仁城(なきじんじょう)は北山王の居城として築かれた城で、「やんばるの地を守る要の城」として標高100メートルの高台の急な斜面に建てられていることが特徴です。今帰仁城跡の見どころは自然の地形に合わせて作られた、万里の長城を連想させるおよそ1500メートルにも及ぶ城壁で、展望台からは沖縄の青い海も見ることができます。丘の上にある城跡からの絶景も人気で、寒緋桜が咲き乱れる1月中旬から2月初めは特に多くの観光客で賑わいます。
恩納村の海岸や慶良間諸島まで一望できる「座喜味城跡」
座喜味城(ざきみじょう)は、1420年ころに築城の名手と言われた「護佐丸(ごさまる)」によって築かれたと伝えられています。標高120メートルの丘の上に建っており、恩納村の海岸や遠くは慶良間諸島まで一望できる絶景が見どころです。座喜味城跡の特徴は城を囲む城壁で、芸術的な石の組み方が美しい曲線を描いています。世界遺産ではありますが、他の城跡と異なり24時間入場無料と観光しやすいことも人気となっています。
建てられた琉球王国の王族が眠る墓「玉陵」
玉陵(たまうどぅん)は、1501年ころに建てられた琉球王国の王族が眠る墓で、2018年には沖縄県初の国宝にも指定されました。墓は東室・中室・西室の3つに分かれており、中室は遺体を安置する場所で、東室には王と王妃、西室には王子や王女の遺骨が安置されています。玉陵の屋根には3体のシーサーがありますが、一般的なシーサーと異なる立ち上がった珍しいスタイルが見どころとなっています。
県内随一の聖地「斎場御嶽」
斎場御嶽(せーふぁうたき)は琉球王国の創世神「アマミキヨ」が造ったとされる県内随一の聖地です。琉球王国の国家的な祭事が行われてきた斎場御嶽は神秘的で厳かな雰囲気が特徴で、パワースポットとしても知られているため大勢の観光客が訪れます。ただし、現在でも沖縄に住む人々の信仰の中心であり祈りを捧げる場所でもあるため、観光する際は騒がないなどのマナーを守ることが大切です。
首里城・今帰仁城跡・座喜味城跡・玉陵・斎場御嶽を観光して、琉球王国の歴史と文化を感じよう
かつて存在した琉球王国は、中国や東南アジアの影響を強く受けた独自の文化とともに繁栄してきました。本州では見られない数々の建造物の遺跡は、琉球王国が異国であったことを改めて感じさせてくれます。沖縄美ら海水族館やマリンスポーツなど王道の観光とは違った、琉球王国の歴史と文化に触れてみる沖縄観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。