琉球語と沖縄の方言って何が違うの?概要や歴史、よく使うフレーズまとめ

琉球語と沖縄の方言は、違いが分かりにくく、区別がつかない人もいるのではないでしょうか。沖縄の方言は琉球語の一つであり、その他の方言も琉球語には含まれています。琉球語の特徴は歴史や地域的な背景が影響しています。難解に感じる独特なフレーズやイントネーションも、琉球語の成り立ちから知ると理解しやすくなるのではないでしょうか。

多様性のある琉球語の歴史とは?

琉球は奄美地方から沖縄本島、その周辺の島を指します。つまり、沖縄の方言をはじめ、奄美や宮古島、八重山、与那国などの方言も琉球語に含まれるのです。現在、沖縄に行くことは簡単です。しかし、飛行機や船などの移動手段が乏しかった時代は本土や九州からはもちろん、琉球地域同士であっても、島間の行き来は困難でした。そのため、独自の言語が使われ、標準語が導入されたのが明治からと遅く、独特のフレーズやイントネーションが色濃く残っています。

また、地域的な背景からも、琉球内で方言が細分化されています。南琉球の端は、台湾から100km程度しか離れていません。したがって、南琉球には台湾や東南アジアのオーストロネシア文化の影響を受けたことが確認されています。言語にも影響を与えたことも考えられ、琉球地域の文化や言語に、多様性が生まれる一因となります。

よく使われるフレーズ集

めんそーれ

めんそーれは、歓迎を表すあいさつです。「いらっしゃい」や「ようこそお越しくださいました」といった意味があり、あいさつなので返事をしましょう。「めんそーれ」に対し、男性なら「ちゃーびらたい」、女性なら「ちゅーびらたい」と返します。ごめんくださいや来ましたといった意味になります。なお、このように沖縄の方言には、男性言葉と女性言葉に分かれていることも珍しくありません。

はいさい

こんにちはの男性言葉が「はいさい」です。女性なら「はいたい」になります。また、沖縄の方言には、こんにちはに近い意味の「ちゅーがなびら」という言葉もあります。

なんくるないさ

沖縄の方言の「なんとかなるさ」という意味の言葉。もともとは定型句の「まくとぅ(真そーけーなんくるさいさ)」の一部です。「正しい行いをしていれば、自然となんとかなるもんさ」という前向きな言葉です。

でーじ好きさー

でーじの意味は、「とても」。「でーじ好きさー」は、「とても好きです」という意味になります。「しに」も同じように使われる沖縄の方言ですが「しに」の方が強い意味合いを持ちます。

ちむどんどん

沖縄の方言で、「胸がわくわくする」を意味します。「ちむ」は「肝」がなまった言葉で、胸の高鳴りを表す「どんどん」と合わせた言葉です。興奮や楽しさなどを表現する以外にも、好きな気持ちを表す際にも使われます。

様々な方言をまとめたのが「琉球語」

奄美地方から南の方言の総称が琉球語です。標準語と違いが大きいのは地域や歴史的な背景からでした。また、外国語のように、男性言葉と女性言葉があることも特徴です。琉球語の1つである沖縄の方言「うちなーぐち」は、ユネスコの絶滅危機言語に認定されています。フレーズと一緒に背景や歴史を学ぶことが、うちなーぐちを含む琉球語の保全につながるのではないでしょうか。