沖縄旅行なら琉球地方の伝統工芸品でもある「シーサー」を知っておこう!

みんなの旅行先として大人気の沖縄には琉球と呼ばれていた時代から伝わる、様々な伝統工芸の文化があります。例えば焼物のシーサーもその1つ。沖縄に詳しくない方でも、一度は見たり聞いたりしたことがあるかもしれません。シーサーの歴史や由来あるいは製造方法などをあらかじめ知っておくと、観光旅行も一層充実することでしょう。

厄祓いや魔除けのシーサーとは!?

沖縄に行くと民家の屋根や門前あるいは大通りの路上などで、獅子のような焼物または彫刻を見かけるはず。それがシーサーです。獅子(しし)のことを沖縄語ではシーサーと呼びます。その由来は中国南部や台湾で獅爺あるいは風獅と呼ばれる、石造の獅子だと言われます。これらの地域では風除けに、石造りの獅子を設置する風習が古くからあるためです。ただし沖縄でシーサーを設置するようになったのは、江戸時代に入ってしばらくし経った1689年のこと。しかも民家の屋根に設置されるようになるのは、さらに歴史を下って明治時代に入ってからです。

琉球王国の正史を編纂した古書「球陽」によれば、1689年に沖縄の村で火災が頻発したため、風水師の助言で厄除けのシーサーを住民が設置したのが始まりだとか。やがて庶民にも瓦葺きの屋根が許されるようになった明治時代になると、民家の屋上に設置する風習が定着します。家に災難を入れない厄祓いや魔除けとして、また福を招く縁起物としても、シーサーの風習は沖縄に根付いています。

やちむんとも呼ばれるシーサーの焼物

シーサーは素焼きや本焼きといった焼物の陶器、あるいは琉球漆喰が中心です。その他には青銅やコンクリート製のタイプもあります。特に焼物は沖縄語で「やちむん」とも呼ばれ、この地方ならではの製法によって独特の風合いが魅力。鉄分をたっぷりと含んだ赤土を使用し、鮮やかな赤褐色で優しい質感のシーサーに焼き上がります。また工房によっては沖縄の伝統工芸である紅型染めを採用し、熟練の職人が一つ一つを丁寧に、明るく色とりどりのやちむんシーサーへと仕上げます。

琉球漆喰のシーサーも見逃せません。まず生石灰と水そして藁を混ぜて消化加熱反応を起こす製法により、餅のような漆喰を作り出します。これを発酵させたものを素材にして、伝統的なシーサーへと仕上げていきます。最初の頃は藁の発酵によって黄色っぽいカラーですが、沖縄の強い日光を浴びるにつれて、漆喰らしい白へと変色していくのが特徴です。

お土産だけでなく手作り体験もおすすめ

お土産にシーサーの完成品を買うだけでは物足りない、せっかくなら自分でも作ってみたい、こんな方もいることでしょう。それならば手作り体験できる工房を探すのがおすすめ。工房では粘土を自分の手で直接こねてから仕上げるので、可愛いものから本格的なものまで、自分の好みに合ったシーサーが手に入ります。もちろん熟練のスタッフがその場でレクチャーしてくれるので安心。工房によっては小さいお子さんの参加も可能です。

シーサーについて詳しく知っておくと、沖縄旅行が一層楽しくなるかも!

沖縄でシーサーを設置する風習は、民家の屋根をはじめ地域のあらゆる景色に溶け込んでいます。シーサーはまさに沖縄を象徴する伝統工芸といっても過言ではありません。そんなシーサーについて詳しく知っておくと、沖縄旅行がより一層楽しいものになるでしょう。