泡盛ってどんなお酒?歴史や種類など、知っておきたい沖縄のお酒「泡盛」のこと。

沖縄のお酒と聞いて、泡盛を頭に浮かべる人は多いです。しかし、その名前は知っていても、どんなお酒なのかまで詳しく知っている人は少数でしょう。泡盛にはどのような歴史があるの?種類にはどんなものがあるの?など、詳しく知ることで泡盛の世界を楽しめます。知識を得てから飲む泡盛は、一味違ったものに感じられるはずです。

黒麹が使用されているのが特徴的な泡盛

泡盛を定義付けるのは、特徴的な4つの製法です。まず原料には、お米を使用すること。次に、黒麹菌を使って発酵させること、仕込みは全麹仕込みの1回のみであること。そして、単式蒸留器で蒸溜をさせることの4つになります。

また、日本酒には黄麹、焼酎には主に白麹が使われるのに対し、泡盛には黒麹が使用されているのも特徴です。泡盛の原料はインディカ米が使われていることがほとんどですが、これは黒麹菌との相性で選ばれており、香りや味わいなど泡盛特有の風味を出すのにひと役買っています。

13世紀初頭まで遡る泡盛の歴史

泡盛の歴史は古く、13世紀初頭まで遡ります。この時期に西アジアでお酒の蒸留技術が発達して、中国からタイを経由して日本に伝わったと言われています。当時は製造が厳重に管理され、一般的に作ることは禁じられていました。明治時代に琉球が沖縄県になってからは、酒造りの免許制が始まり、民間でも泡盛を作ることが許され、酒屋の数は700戸を超えます。その後、太平洋戦争で大きな被害を受けましたが、泡盛に対する県民の強い思い入れが原動力となり泡盛は再興しました。

泡盛の名前の由来

泡盛というお酒の名前の由来には、製造の原料として粟を使用していたため「粟モリ」と呼ばれ出したという説や、インドなどの古典言語でお酒のことを「アワムリ」と読んでいた名残という説など諸説あります。アルコール度数が高いお酒をコップに注ぐときに泡立つ様子を見て、泡が盛る·泡盛と変化した説も有名です。

泡盛の種類は2種類!

泡盛には大きく分けて、2つの種類があります。まず3年以上かけて熟成させた泡盛のことを、クースと呼びます。熟成させるとアルコールのインパクトが弱まって、独特な甘さが生まれるのが特徴です。さらに、10年以上熟成させたクースは口当たりがなめらかになり、旨味が増します。寝かせるほどにおいしくなるのも、泡盛の特徴です。

一方、熟成期間が3年に満たない泡盛のことを、一般酒と呼びます。単に「泡盛」と言われることもあり、クースとは区別されています。クースと比較すると軽く、飲みやすいのが特徴です。また、程よい甘さもあるので、泡盛初心者にはおすすめです。クースよりも安価なので、そういった意味でも飲みやすいのが一般酒になります。

600種類もの銘柄がある泡盛

泡盛には、600種類もの銘柄があります。そのため、どれを選べば良いのか悩むところですが、初めて挑戦する人におすすめなのが、減圧蒸留で作られた泡盛です。沸点を低くすると臭いが弱くなり、飲み口がフルーティーになるので、初心者でも飲みやすくなります。泡盛独特の風味や歴史を強く感じたいという人には、長く熟成させたクースがおすすめ。独特の香りや余韻が、クセになるでしょう。

また、水割りで飲むときには、水にこだわるとより泡盛を楽しむことができます。硬水を選ぶと飲み応えをしっかりと感じられますし、軟水では喉越しが良く、スッキリした後味を楽しめます。

歴史や種類を知って泡盛をさらにおいしく

泡盛は、長い歴史を持つ琉球ならではのお酒です。熟成期間によってクースと一般酒に分けられますが、どちらも味わい深く、違った趣が楽しめます。また、飲み方も工夫をすると、同じ泡盛でも違うお酒のような味わいを楽しむこともできる、奥の深さがあります。沖縄を実際に訪れて楽しむのもよし、家庭で琉球の歴史に思いを馳せながら飲むもよしです。