沖縄北部に位置しているヤンバル三村の独特な魅力などを詳しく深掘り!
沖縄本島の北部に位置している自然豊かな森林地域のことを、古くから地元の方々は「ヤンバル(山原)」という愛称で呼んでいます。そのヤンバルには国頭村・大宜味村・東村の三つの村が存在します。この三村には独特な魅力があり、他では見られないものがたくさんあります。それでは、ヤンバルの見どころを詳しく深掘りしてみましょう。
国頭村といえば「ヤンバルクイナ」が有名
国頭村は、沖縄本島の最北端に位置している村になります。国頭村のほとんどが森林や野原でおおわれていて、西銘岳・伊湯岳・与那覇岳などの山々が広がっています。この森には、世界でもここでしか見られない「ヤンバルクイナ」が生息していて、ヤンバルの見どころの一つです。他にも、数多くの固有種・希少種を含んだ野生生物が生息していて、与那覇岳天然保護区域や沖縄海岸の国定公園5か所の鳥獣保護区に指定されています。
また、国頭村には国指定重要無形民俗文化財の「安田のシヌグ」という400年ほど続く伝統行事があります。選ばれた者たちが、草木で紡いだものをまとって「神」として各集落に迎えられて、人々についた邪気を草木で払い落すという独特の雰囲気がただよう五穀豊穣を祈願する儀式です。夜ともなれば女性たちは、「ウシデーク」と言われる伝統の古舞踊を始め、無病息災などを神様に祈ります。その他にも、国頭村の各地で行われている「海神祭(ウンジャミ)」という海や山の神に祈りを捧げて、地域の繁栄を祝う行事もあります。グルメでは、ソーキそばやイノブタ料理などが堪能でき有名です。
大宜味村といえば「シークワーサー」が有名
大宜味村は、ヤンバル地域の西側に位置していて、長寿の村としての知名度も高いです。全部で17の集落が存在し、村の中央には塩屋富士・ネクマチヂ岳などの石灰岩の山があります。また、塩屋湾やその周辺は大保鳥獣保護区に指定されています。この村の主な産業は「シークワーサー」の生産で、この村の特産物です。大宜味村の文化では、国指定重要無形民俗文化財である「塩屋湾のウンガミ」があります。500年ほど続く伝統行事で、五穀豊穣を神人が祈願します。他にも、地元の青年会による「ハーリー競漕」は、この村の代表的な祭りの一つです。そして、沖縄といえばこの「エイサー」の夏祭りを思い出す方もいるでしょう。沖縄各地で旧盆に行なわれる念仏行事で、もちろん大宜味村でも行われます。特に大宜味村の青年会によるエイサーは、会場を盛り上げ魅力的です。グルメでは、沖縄そばやゴーヤチャンプルーなどが有名で、ゆったりした時間の中で味わえます。
東村といえば「ヤンバル国立公園」が有名
東村は、ヤンバル地域の東海岸に位置している細長い村で、6つの集落があります。村の人口は約1800人で、沖縄本島では最も人口の少ない地域です。村の北部のほとんどが森林で、沖縄本島では最大級の面積を誇る「マングローブの木」におおわれています。その森林を始まりとした14の河川が流れており、多種多様の動植物が生息している地域です。2016年には「ヤンバル国立公園」に指定され、2021年には奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島が「世界自然遺産」に登録されました。
また、パインアップルの生産にも力を入れていることでも認知度が高いです。その他、ハイビスカスやつつじの花も盛んなため、東村のキャッチフレーズは「花と水とパインの村」。他でも言われているのが、「東洋のガラパゴス」です。東村の文化では、「東村の豊年祭」が行われ、農産物の豊作を祝い伝統芸能を披露します。グルメでは、特産物のパインアップルをふんだんに使用したパインタルトのスイーツや完熟マンゴー、あぐー豚のしゃぶしゃぶなどを楽しめます。
国頭村・大宜味村・東村それぞれのヤンバルの見どころが満載!
沖縄の北部にある国頭村・大宜味村・東村のヤンバル三村。隣どおしでありながらも独自の文化や歴史をそれぞれ受け継ぎ、後世に残してきたのが分かります。また、豊かな自然を守りながら産業などを発展させてグルメや伝統行事などでヤンバルの見どころをアピールする努力も垣間見えました。魅力いっぱいなヤンバル三村へ実際に足を運んでみてはいかがでしょうか。