沖縄空手の歴史について知りたい!伝統空手を紹介する空手会館や伝統武術「古武道」について
日本古来より伝わる伝統武術・空手。形の演武や瓦割りなどが印象的ですが、「空手について詳しくは知らない」という人もいるかもしれません。空手の起源は中国で、かつての琉球国に伝承されたことが由来です。沖縄には伝統空手を紹介する空手会館もあり、日本における空手発祥の地として現在も武術と伝統を継承しています。
伝承された武術が起源の空手の歴史を辿る
空手の歴史は中国から伝承された武術が起源です。中国の武術が琉球王国(現在の沖縄県)に伝わり、琉球国で伝承されてきた拳法や日本武術と融合したのが空手といわれています。
琉球国で空手が始まった正確な時期は不明ですが、明治時代には空手家たちが弟子に口伝していたといわれています。明治12年からスタートした琉球処分・沖縄併合に伴い次第に空手は沖縄県外にも普及し、大正時代に入ると全国的に広がり始めました。
空手は元々「唐手(とうで)」と呼ばれていましたが、日本全国に広がり始めた時期を境に「空手」という名称に変わったといわれています。空手という名称の由来は諸説ありますが、主に「唐手」を「からて」と発音したことから空手へと変化したという説、仏教の教え「色即是空」から「空」の文字を取り「空手」と名付けたという説があります。
昭和8年になると、日本で武道教育・振興を行っていた大日本武徳会が空手を正式に日本の武道として承認。第二次世界大戦が終わると空手は日本各地に広がっていき、さらに「KARATE」という一つの競技として世界各国で認知されていきました。
伝統空手を紹介する空手会館
伝統空手を紹介する空手会館は、2017年3月に沖縄県豊見城市に建てられ空手の聖地として空手家に親しまれています。空手会館は空手家のみならず、一般の観光客が訪れることも多い沖縄観光スポットの一つです。
施設内には沖縄文化を感じさせる赤瓦の道場や鍛錬室、研修室、資料室などがあり、資料室は空手文化の歴史や武具などを展示している展示エリアと映像シアター、空手の鍛錬方法である鉄下駄を履ける体験コーナーに分かれています。
伝統武術「古武道」とは
空手の礎となった伝統武術「古武道」は、明治時代以前に日本で発展してきた武芸の総称です。古武道には主に、剣術、柔術、槍術、弓術、砲術があります。古武術は室町時代、戦国の世を象徴するかの如く剣術や砲術を中心に発展しました。しかし、明治時代に入ると新たなる現代武道が確立し、空手もその一つに数えられるようになったのです。
琉球王国時代から琉球古武術が発展していた沖縄。日本の古武道と同じ弓術や槍術が中心でしたが、中国から伝承されたトンファーやヌンチャクなどを用いた武術も取り入れていました。琉球古武術は主に、平信賢、本部朝勇、又吉真光の3つの流派に分かれています。
中国武術と日本武術が融合した空手
空手の歴史を紐解くと、中国から伝わった琉球古武術に日本の伝統武術「古武道」が融合して誕生したことが分かりました。空手という名称も、当時の中国の国名から付けられた「唐手」を「からて」と発音したことが由来ともいわれています。空手が日本で広がり始めたのは第2次世界大戦後で、以降「KARATE」として世界中で幅広く認知される競技になりました。